口座開設の活用

欧州通貨制度(EMS)は、一九七八年七月の欧州共同体(EC)の首脳会談で、シュミット西独首相(当時)とジスカールデスタン仏大統領(同)によって提案されました。欧州各国通貨の変動を一定の幅に抑えることで、欧州通貨全体の安定をもたらそうというのが目的でした。EMSは翌年の七九年三月、正式に発足。具体的な中身を見ると、各国通貨の変動幅を上下一・二五%とし、各国当局は通貨の動きがこの変動幅に収まるよう、必要に応じて外国為替市場で介入を実施する義務を負います。市場介入は原則として自国通貨で実施し、介人後の決裁は欧州通貨単位(ECU)で行うことなどと決められていました。EMSは発足後、九〇年代初めまでは比較的安定していましたが、東西ドイツ統一に伴ってドイツが金融引き締め策を強めると、低金利で経済成長を優先させたいドイツ以外の欧州各国との摩擦が強まり、通貨市場も不安定さを増しました。九二年九月にはまず英国とイタリアが為替相場メカニズムから離脱し、次いで九三年夏にはマルクと並ぶ柱のフランスフランまでが投機の波に飲み込まれました。

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